災害に役立つ
災害関連死という言葉をご存知でしょうか?
地震・洪水・土砂災害・台風などによる怪我や病気、
事故などの直接的なものではなく、
災害により間接的に引き起こされた災いを指します。
報道では「災害関連死」と一括りにされがちなため、
一般的にはなかなかその実態が浸透していません。
近年増加する災害に備えるため、
具体的にどのようなものがあるのかを
水の重要性とともにご紹介いたします。
断水により起こる災いは、
命に関わる重大な病気・症状から、
精神的なストレス、人為災害まで、
私たちの想像以上の被害を出しています。
災害時には断水によりトイレの水が流れないことから、
排泄を控えるために水分摂取を控えてしまいます。
そのため、脱水症状や水分不足による血栓が生じるなど、
命に関わる重大な病気を引き起こす可能性があります。
コロナウイルス、インフルエンザ、ノロウイルスなど、
水不足により充分な消毒や洗浄が出来ないことから、
感染症のリスクが高まる恐れがあります。
災害による生活用水が不足し、
衛生環境の悪さから精神的なストレスを生みます。
飲料水の支給が充分にあったとしても、
生活用水として使いにくいという遠慮があるためです。
水を分けてもらうという名目で、敷地内に入り空き巣や
強盗などの略奪行為が災害時には発生しています。
助け合いの精神を利用した非常に悪質な行為が横行し、
断水が間接的に治安の悪化を招いています。
今注目を浴びている災害対策の一つとして、
「防災井戸」というものがあります。
最大水深50メートルから
水を引き上げる事のできる、
手押しポンプ式の井戸の事を指し、
なんと毎分約30リットルから
40リットルの水を
確保する事が可能です。
手押しポンプは軽く、
子供やお年寄りでも
簡単に扱えるようになっています。
地下に造られる井戸は、構造上地震の揺れに強く、記憶に新しい熊本地震の際にも一箇所も壊れる事なく利用できた実績があります。
災害対策として、近年では駅前広場や避難所となった道の駅にも設置されるようになりました。
災害の影響で停電になっても、手動ポンプ式の防災井戸は電気がいらないため、いかなる時にも利用が可能です。
停電・断水でまず気を付けなればならないのが、脱水症状・熱中症です。
災害がもし真夏であればその危険性は高まりますが、地下水は地上の気温に左右されることなく常に一定であるため、健康被害を抑える事ができます。
かつての大地震の時でも多発したように、地震に火事はつきものです。
自家発電でない限り、停電時に消火栓は使用できなくなるため、緊急時の火を消すための防災井戸は非常に貴重な存在となります。
防災井戸を中心に、定期的な防災訓練や緊急避難場所としての確認など、地域でのコミュニケーションの活発化を図ることができます。
特にお年寄りの一人暮らしなど、老人の孤立化を防ぐとともに、ご近所同士で顔見知りになることで、治安維持にも繋がります。
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